腰痛について

現在、日本人が抱える健康問題でもっとも多いものは、厚生労働省が発表した国民生活基礎調査によると、第一が腰痛、第二位が肩こり、第三位が関節痛です。

 

現在、腰痛患者数は2800万人とも言われていて、腰痛の原因は様々ですが、病院で行われるレントゲン検査、MRI検査などの画像検査を行っても、その85%は、原因が特定できない事がほとんどだと言われています。

 

しかし、この画像検査は何を見ているのか、ズバリ「骨」です。

では、私たちが体を動かす時、その動きに関係するするものは骨だけではありません。家で言うと柱のようなもので、身体を動かす際に働くのは、関節を動かし骨を支えている筋肉です。

もし、筋肉のない骸骨の状態になったとしたら、人は1㎜も動くことすらできず、筋肉がなければ骨は全てバラバラと崩れ落ちてしまいます。

 

私たちが体を動かす際に働いているのは骨だけでなく、関節を動かし骨を支えている筋肉、骨と骨を繋ぐ役割をしている靭帯、筋膜や骨膜など色々な組織があるにも関わらず、病院に行くとレントゲン検査で骨だけを診断の中心に見るのかが問題だと思っています。

 

腰痛のほとんどは緊急性はありませんが、中には生命を脅かすような危険な疾患や緊急の手術を要する疾患など、重大な疾患が存在する場合があります。

 

内臓の病気すべてに当てはまるわけではありませんが、下記のような腰痛の症状がみられたら内臓の病気を疑う必要があるかもしれません。

 

 

「見逃してはいけない5つの症状」

・体を動かした時に痛むわけでもなく、横になって安静にしていても痛む。

・痛くて眠れない(夜間痛)

・原因不明の体重減少

・治療直後は痛みが和らぐが、また直ぐに痛みが戻る。

・症状がだんだんひどくなっている。

 このような場合は、病院で検査を受ける必要があるかもしれませんから、自己判断せず、腰痛を放置しないでください。

 

内臓の病気から起こる代表的なものをいくつか紹介します

 

悪性腫瘍(ガン)

・50歳以上

・癌の病歴がある

・原因不明の体重減少

・安静にしていても痛みが軽減しない

・夜間痛

 

重篤な背骨の病気

 

圧迫骨折

骨粗しょう症に伴って起こることが多いので、これといった外傷歴がなくても、気づかないうちに骨折していることもあります。70歳以上の女性は画像検査で確認しましょう。

 

尻もちや転倒

 

また長期にわたってステロイド剤を服用している人も、腰痛が起きた場合は画像検査などで圧迫骨折の有無を確認したほうがいいでしょう。

 

脊髄感染症

 

馬尾神経症候群

腰椎椎間板ヘルニアと診断され、尿や便の調節ができなくなる排尿障害、膀胱直腸障害が症状としてみられる場合は、発症後早期に手術を行うことが望ましいとされています。

 

泌尿器の病気

腎結石、尿路結石、腎盂腎炎

 

血管の病気

解離性大動脈瘤(お腹の中にある血管)

胸背部の痛み

 

婦人科

子宮筋腫、子宮内膜症

 

その他

すい臓がん、心臓病などでは背中の痛みを感じることもあります。

 

このようなことは、時間をかけて問診をしっかり行うことで、身体からの危険信号を見逃すことなく、回避することができます。

 

当院では初診時に時間をかけて問診、カウンセリングを行い、内臓の病気でおこる腰痛との鑑別を大切にしています。

 

もし、問診などをしっかり受けたこともなく、施術を受けているにも関わらず、症状が悪化していたり、一ヵ月以上まったく症状の改善がない場合は病院での検査も受けたほうがいいかもしれません。

 

腰痛症(統計)

・整形外科疾患97%

 急性腰痛症、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、脊椎圧迫骨折など

 

・腹部臓器疾患2%

 解離性大動脈瘤、腎盂腎炎、尿管結石、膵炎、消化管潰瘍など

 

・悪性腫瘍や感染1%

 腎がん、乳癌などの骨転移、硬膜外膿瘍、化膿性脊椎炎

 

腰痛症のほとんどが内臓由来から起こるものではありません。必要以上に心配することはありませんが、症状が悪化している場合などは精密検査を受けてみましょう。