「朝起きたとき、膝が突っ張ってまっすぐ伸ばせない」
「歩き出すと膝の裏側に何かが挟まったような違和感がある」
「仰向けで寝ているとき、膝の裏が床につかず浮いてしまう」
こうした「膝の伸展制限(膝が伸びきらない状態)」は、当院に来院される患者様の中でも非常によく見られるお悩みの一つです。
一般的に〇〇と呼ばれるような状態(変形性膝関節症など)に似た症状であっても、当院の見立てでは、その多くは「構造自体が悪くなっている」のではなく「機能の停滞」に起因していると考えています。
今回は、国家資格を持つ鍼灸師、そして筋膜リリースの専門的な評価を行う視点から、膝の伸びにくさの正体と、当院が実践する機能再教育のアプローチを詳しく解説します。
1. なぜ膝が伸びきらないのか?
膝をまっすぐ伸ばすという動作は、単純な関節の屈伸運動ではありません。
当院の評価では、以下の3つの機能不全が組み合わさることで「伸びない・痛い」という状態が推測されると考えています。
① スクリューホーム・ムーブメント(回旋運動)の消失
本来、人間の膝は最後にピーンと伸びる際、下腿(スネの骨)が太ももの骨に対してわずかに「外旋(外側にねじる)」する機構を持っています。
これを専門用語で「スクリューホーム・ムーブメント」と呼びます。
筋膜の癒着や筋肉の過緊張によりこの微細なねじれ運動が妨げられると、関節がロックされたような状態になり、無理に伸ばそうとすると鋭い痛みや引っかかり感が生じると考えています。
② 膝窩筋(しつかきん)の機能不全と筋膜の高密度化
膝の裏側には、膝を伸ばす際の鍵を握る「膝窩筋」という小さな筋肉があります。
この筋肉や周囲の筋膜が高密度化(癒着)し、柔軟性を失うと、膝を伸ばす際のブレーキとなってしまいます。
特に長時間座りっぱなしの生活が続くと、膝裏の組織が「短縮」した状態で固定され、一歩目の伸展制限を強める一因になると推測しています。
③ 脂肪体(インフラパテラ・ファットパッド)の柔軟性低下
膝のお皿(膝蓋骨)の裏側には、クッションの役割を果たす脂肪の塊があります。
ここが炎症や血流不足によって硬くなると、膝を伸ばす際に関節内にスムーズに移動できず、前側に挟み込まれるような痛み(引っかかり)を感じる原因となり
得ます。
2. 膝の問題は「上下の関節」に潜んでいる
当院では、膝が伸びない原因を膝だけに求めません。膝は股関節と足首に挟まれた関節であり、上下の機能低下が膝の伸展を阻害しているケースが非常に多いからです。
股関節の伸展不足が招く「膝の屈曲位」
デスクワークなどで股関節の前面(腸腰筋など)が硬くなると、骨盤が前傾し、結果として膝を常に軽く曲げた状態で歩く癖がついてしまいます。この状態が常態化すると、脳が「膝はこれ以上伸ばさなくていい」と誤認し、筋膜の配列そのものが伸びにくい状態へと変化してしまうのです。
3. 鍼灸と筋膜リリースによる多角的アプローチ
当院では、以下のプロセスを経て改善のサポートを行います。
鍼灸による深部の筋肉、神経に働きかける
膝が伸びない状態が長引くと、関節周囲の神経が過敏になり、わずかな伸展刺激でも「痛み」として脳が過剰反応するようになります。当院の鍼灸施術では、深部の痛みに対する敏感さを調整し、組織の血流を劇的に改善することで、筋肉が緩みやすい土壌を整えます。
筋膜リリースによる「滑走性」の回復
膝の裏側や外側の筋膜が癒着している場合、どんなにストレッチをしても伸びることはありません。当院では筋膜リリースの手法により、癒着した組織を物理的に解放し、組織同士がスムーズに滑り合う「滑走性」を取り戻します。これにより、無理なく膝が伸びる空間を確保します。
4. 身体機能を再学習させる!エクササイズ
施術で組織が緩んだ後は、その正しい可動域を脳に定着させるための「再教育」が必要です。当院が推奨する、解剖学的根拠に基づいたエクササイズをご紹介します。
施術で体を整えたあと、正しく体を使えるように脳と神経の働きを再教育していきます。
特別なトレーニングではなく、体の使い方を整えるための動きです。
同じ場所に負担が集中しにくくなり、痛みを繰り返しにくい状態を目指します。
5. まとめ:当院の見立てとメッセージ
膝がまっすぐ伸びない状態を放置すると、腰痛や外反母趾など、全身の歪みへと波及していきます。当院の見立てでは、膝の伸展を取り戻すことは、単に膝の痛みを消すだけでなく、将来的な歩行機能を守るために極めて重要であると考えています。
「もう歳だから関節が固まっているのは当たり前」と諦めないでください。当院では、鍼灸で神経を鎮め、筋膜を解放し、正しい運動連鎖を再教育することで、多くの方の改善をサポートしています。あなたの膝にも、まだ「伸びる力」が眠っているかもしれません。
膝の違和感・伸びにくさでお悩みの方へ
当院は、国家資格者としての知見を活かし、一人ひとりの身体の状態を解剖学的に評価した上で、オーダーメイドの施術と運動療法を提供しています。
「ピーンと伸びる膝」を取り戻し、不安のない毎日を一緒に目指しましょう。まずはお気軽にご相談ください。
本記事の内容は、当院独自の評価・見立てに基づく解説であり、医師法に基づく「診断」を行うものではありません。特定の病気(変形性膝関節症、関節リウマチ等)を断定するものではなく、あくまで状態の推測と当院の改善サポートの紹介です。膝に激痛がある、急激な腫れや熱感がある、あるいは歩行困難な場合は、速やかに医療機関を受診されることを推奨いたします。
