姿勢を正す意識が肩こりを悪化させる?――最新の疼痛科学が明かす「動きの多様性」を取り戻すための根本療法
2026.01.03. 更新
はじめに:その「良い姿勢」の意識が、体を追い詰めていませんか?

「仕事中、背中を丸めないように気をつけているのに、夕方には肩がパンパンになる」 「整体で姿勢を矯正してもらったけれど、三日後には元に戻ってしまう」
当院を訪れる多くの患者さんが、こうした悩みを抱えています。
そして皆様、一様に「自分の意識が足りないから、姿勢が悪くなってしまうんだ」と自分を責めていらっしゃいます。
しかし、臨床経験と運動学の視点からお伝えしたいのは、「姿勢を良くしようとする努力」が、かえって痛みを長引かせている可能性があるという事実です。
なぜ、姿勢を正しても問題は解決しないのか。なぜ、揉んでもまた固まってしまうのか。 今回は、巷に溢れる「姿勢矯正」の誤解を解き、現在の疼痛科学・バイオメカニクスに基づいた「本当に動ける体」へのプロセスを詳しく解説していきます。
第一章:姿勢は「原因」ではなく「結果」である
まず、私たちの体の捉え方を根本から変える必要があります。
1. 姿勢とは「動きの履歴」
多くの人は、姿勢を「建物のような固定された構造物」と考えています。柱が曲がっているから直さなければならない、という発想です。しかし、人間の体は常に動き続ける動的な存在です。 姿勢とは、その人が日常で行っている「動きの選択」の積み重ねが、結果として表れているものに過ぎません。
2. 「動きの選択肢」が減ることの恐怖
健康な体とは、どんな姿勢も取れる「柔軟な選択肢」を持っている状態を指します。 猫背になることもできれば、胸を張ることもできる。
右に傾くこともできれば、左に傾くこともできる。この「自由度」があるうちは、特定の部位に負担が集中することはありません。
問題は、猫背そのものではなく、**「猫背という姿勢から抜け出せなくなること(他の姿勢が取れなくなること)」**です。
関節が固まり、筋肉が滑走性を失うと、脳は「この姿勢が一番安全だ」と誤解し、その形を固定化させます。
これが、皆様が悩んでいる「悪い姿勢」の正体です。
3. 姿勢だけを正しても元に戻る理由
関節の可動域が制限されたまま、無理に「良い姿勢」を作ろうとするとどうなるでしょうか。
本来、動くべき背骨や肩甲骨が動かないため、別の場所(腰や首の付け根など)に無理な力が加わります。
これをバイオメカニクスの用語で「代償動作」と呼びます。
脳はこの無理な姿勢を「苦痛」と判断するため、すぐに元の(まだ負担が分散されていた)姿勢に戻そうとします。
これが、姿勢矯正が長続きしない科学的な理由です。
第二章:痛みと神経のサイエンス――なぜ「休めない筋肉」が生まれるのか
肩こりや腕のしびれの本質を探ると、そこには筋肉の硬さだけでなく、神経系の過剰な興奮が隠れています。
1. トリガーポイントと血流の悪循環
筋肉が特定の動作で酷使され続け、さらに「動かない」状態が続くと、筋肉内に微小な損傷や代謝産物の蓄積が起こります。
これが、いわゆる「トリガーポイント」です。 トリガーポイントができると、そこから発生する痛みの信号が神経を刺激し、血管を収縮させます。
血流が悪くなれば、さらに筋肉は酸素不足に陥り、硬さを増す……という負のループが完成します。
2. 疼痛科学から見た「痛みの記憶」
慢性的な肩こりがある場合、患部だけでなく、脳の痛みを感じるシステム自体が敏感になっていることがあります(中枢性感作)。
少しの刺激でも「痛い!」「危ない!」と脳が判断し、身を守るために周囲の筋肉を反射的に固めてしまいます。
この状態では、ただストレッチをするだけでは、脳の警戒を解くことはできません。
第三章:当院の治療思想――「使える状態」へのリセット
では、どうすればこのループを断ち切れるのか。
当院では「整体」と「鍼灸」を、医学的エビデンスに基づいた役割分担で行っています。
1. 整体:筋膜リリースと滑走性の回復
当院の整体は、骨をボキボキ鳴らすものではありません。
主に行うのは、筋肉を包む「筋膜」の滑走性を高めるアプローチです。
筋肉同士、あるいは筋肉と神経がスムーズに滑り合うようになると、血管への圧迫が減り、血流が回復します。
「これにより、異常な神経の興奮が抑えられ、筋肉が「自ら緩むことができる状態」へと導かれます。
2. 鍼灸:トリガーポイントへの直接アプローチ
鍼灸においては、東洋医学的なツボの概念に縛られず、解剖学・現代医学に基づいた「トリガーポイント鍼治療」を実践しています。
深部の硬結(コリの芯)に直接刺激を与えることで、神経の過度な興奮をシャットダウンさせます。
これは、いわばコンピューターの「再起動」のようなものです。
筋肉の緊張が解けることで血管が拡張し、体本来の回復力が最大限に引き出されます。
第四章:運動の真の目的――「鍛える」ではなく「目覚めさせる」
治療で患部が緩んだだけでは、まだ半分です。
ここからが最も重要な「動作の再教育」のフェーズです。
1. 固有受容器を活性化する
私たちの体には、自分の手足がどこにあるか、どれくらいの力が入っているかを感知する「センサー(固有受容器)」が備わっています。
長年の肩こりに悩む方は、このセンサーが錆びついています。
当院の運動療法は、重いダンベルを持ち上げることではなく、このセンサーを磨き、脳と体の通信回路を正常化することを目的としています。
2. モーターコントロール(運動制御)の向上
「脳が思い通りに体を操ること」をモーターコントロールと呼びます。
肩がこる人は、無意識のうちに特定の筋肉(僧帽筋上部など)ばかりを使い、他の筋肉(前鋸筋や腹圧など)を休ませてしまっています。
運動を通じて、「使いすぎている筋肉に『休んでいいよ』と伝え、サボっている筋肉に『起きて!』と呼びかける」。
この再教育が行われて初めて、動きの選択肢が広がり、姿勢は結果として勝手に整っていくのです。
第五章:治療から定着へ――あなたが歩むべきロードマップ
本当の意味での「治癒」とは、当院に来なくても良い状態が続くことです。
そのためには、以下の3つのステップを確実に踏む必要があります。
ステップ①:リセット(治療) 整体や鍼灸で、組織の滑走性を出し、痛みの閾値を下げます。まずは「動かせる準備」を整えます。
ステップ②:再学習(動作の再教育) 正しい運動パターンを脳に覚え込ませます。「姿勢を維持する」のではなく「楽に動く」感覚を掴みます。
ステップ③:定着(セルフケアと日常) 日常の何気ない動作(歩く、座る、物を持つ)の中で、学習した動きが無意識に出るようになります。
このプロセスを経ることで、姿勢を気にしなくても、肩こりが起こりにくい体へと進化していくのです。
おわりに
自由な動きを取り戻すことが、健康な体へと変化します。
姿勢が悪いことを気にする必要はありません。 本当に大切なのは、あなたの体が「自由に動ける体」を取り戻すことです。
もしあなたが、今この瞬間も「姿勢を正さなきゃ」と体に力を入れているなら、一度その力を抜いてみてください。
そして、その硬くなった筋肉や、制限された関節を、科学的・医学的な視点から一度見直してみませんか?
私たちは、あなたが「姿勢という型」に縛られず、軽やかに、自由に動ける体を取り戻すためのお手伝いをいたします。
大阪市鶴見区放出で姿勢の崩れから起こる肩こりでお悩みの方はワイズボディケア整体、ワイズはりきゅうへお気軽にご相談ください
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