「歩くこと」と「治療の運動」は別物です。
デスクワーク時代に知っておくべき健康の本質

⚠️ まず最初にお伝えしたいこと
多くの方が誤解されていますが、一般的に言われる「ウォーキングなどの健康維持のための運動」と、当院で行っている「痛みを改善し、体を整えるための運動やピラティス」は、全くの別問題です。
ここを混同して「痛みを治そうとして、無理に歩く」と、かえって症状を悪化させる危険があります。まずはこの違いを正しく理解しましょう。
こんにちは。日々、皆さんの健康をサポートする立場から、今日は「耳の痛い、けれど非常に大切な話」をさせていただきます。
現代社会、特にデスクワーク中心のお仕事をされている方にとって、避けては通れない「座りすぎ」の問題。そして、なぜ私たちが運動をしなければならないのか。最新のエビデンスを交えて、詳しく紐解いていきます。
「整える運動」と「動く運動」の違い
一般的に「運動」と言われると、ウォーキングやジムでの筋トレを思い浮かべる方が多いでしょう。これらは、心肺機能を高めたりエネルギーを消費したりするための「活動」です。
一方で、当院が提供している運動やピラティスは、いわば「体の再起動」です。
長年の癖やデスクワークで動かなくなった関節、サボっている筋肉にスイッチを入れ、正しく動ける状態にリセットするための「調整」です。
例えるなら…
車軸が歪んだ車を無理に走らせるのが「痛い時の無理なウォーキング」。まず工場で車軸を真っ直ぐに直し、正しく走れるように整備するのが「当院の整える運動(ピラティス)」です。
この「整える」ステップを飛ばして歩き回ってしまうと、特定の部位にばかり負担がかかり、結果として体を壊してしまいます。まずは「整える」ことが先決なのです。
なぜそれでも「歩くこと」が重要なのか
体が整った後に「歩くこと」が極めて重要であることには、科学的な裏付けがあります。特にデスクワーカーにとって、歩行不足は命に関わる問題です。
世界保健機関(WHO)は、世界で年間約200万人の死因に「座りすぎ」が関連していると警告しています。オーストラリアの研究では、1日に11時間以上座る人は、4時間未満の人と比較して、総死亡リスクが40%も高まるという衝撃的なデータもあります。
筋肉は「若返り薬」の工場
筋肉を動かすと「マイオカイン」という物質が分泌されます。これは血管を若返らせ、血糖値を安定させ、認知機能を維持し、体内の慢性的な炎症を抑える働きがあります。歩かないことは、この天然の薬の供給を止めてしまうことなのです。
関節への「給油」作業
関節の軟骨には血管がありません。栄養を補給するには、歩行による「加圧と除圧」の繰り返しが必要です。歩かないことは、関節を油切れの状態にすることと同じです。油が切れた機械が摩耗するように、歩かない人の関節はどんどん脆くなってしまいます。
デスクワークが引き起こす「血流のゴースト化」
座り続けると、足の血流は数分で劇的に低下します。動かない時間が長くなると、末梢の毛細血管に血液が流れなくなり、血管が消滅してしまう「ゴースト血管」化が進みます。
血管がゴースト化すると、酸素や栄養が届かず、老廃物(痛みの原因物質)が回収されなくなります。これが、慢性的な疲れや取れない痛みの根源です。歩くことは、この毛細血管の隅々まで血液を送り込み、全身を「大掃除」する作業なのです。
脳と心の健康も「足」がつかさどる
足は「第二の心臓」です。ふくらはぎがポンプとなって血液を脳に送ることで、高い集中力が維持されます。
また、リズム良く歩くことで、脳内では「セロトニン」という幸せホルモンが分泌されます。デスクにかじりついているよりも、一度席を立って歩いたほうが、脳のパフォーマンスは圧倒的に高まります。「最近、仕事が捗らない」という悩みは、足の動きが止まっているからかもしれません。
正しいステップ:整えてから、歩く
「歩くこと」は寿命を延ばすために絶対に必要です。しかし、何度も言うように「歪んだ状態で歩く」のは危険です。
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整った状態で「ウォーキング(循環)」を取り入れる
この順番を守ることで、初めて歩行が「治療を促進する薬」に変わります。当院で行っている指導は、単なるエクササイズではなく、あなたが安全に、かつ効果的に歩けるようになるための「準備」なのです。
具体的に今日からできること
デスクワークの方にまずやっていただきたいのは、いきなり激しい運動をすることではありません。
